「結婚に失敗した」という言葉をたまに耳にします。結婚したこと自体に後悔しているようなニュアンスです。
今日の記事は、それとはちょっとニュアンンスが違う「失敗の結婚」についての話題です。結婚して悪いことばかりではないし恵まれた環境だとは思うけど、あのことが欠けている結婚生活のことです。
互いに成長できる結婚
ある友人のご主人様が、大きなストレスを抱えてしまいお仕事を辞めたいと言い出したことがありました。
その頃、お二人の間には2人の小さな子供がいて平穏に暮らしていたのですが、ある日突然、ご主人様が勤めている会社を退職して「田舎で農業をやりたいと」言い始めたのです。
それを聞いた私は、ちょっと心配になりました。
田舎暮らしは素敵だけど、子供達に良い教育が受けさせてあげられるのか?とか、都会派の奥さんはどうなるんだ?とか、いろいろ。
ところが、友人は私にこう言ったんです。
「私は彼についていく。彼が農業をやりたいのなら私も一緒に手伝うわ。だって、夫婦だもの。」
我が友ながら、ちょっと感動ものでした!
心配性の私は「え?朝5時とかに毎日起きて、畑耕して、日焼けして真っ黒になっちゃうね?」と、都会派で朝が弱い寝坊助でスタイリッシュな彼女の気持を確認せずにはいられませんでした。
でも彼女は、「うん、だいじょーぶ。」って笑顔で答えてくれたんです。
ご主人様も、子供達も幸せですね。こんな覚悟ができるほど、強い心と優しい気持で家族を支えてるママさんがいて。
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失敗の結婚とは
「失敗の結婚」とは、先の様なカップルとは真逆の結婚のことをさしています。
私が思う”失敗の結婚”とは、ズバリ
「相手から応援してもらえない結婚」
です。
配偶者から応援されていない人を見るにつけ「大変そうだな~」と、気の毒に思います。
「応援しない」だけならまだマシなのですが、それに加えて「やろうとしている事の邪魔をされる」パターンもあります。
応援しあえないパートナーシップが続くと、満たされた感覚が得られずうっすらとしたイヤな気分が続いていくことになりかねません。
それは、人間の本質的欲求から外れてしまうことになるからです。
「失敗の結婚」とはズバリ、応援しあえない、本能的に満たされないパートナーシップなのです。
その理由をお話しします。
獲得衝動が満たされないと嫉妬心が強くなる
人間社会生物学(進化心理学)的に、人間を突き動かす基本的な4つの衝動のうちの1つに『獲得衝動』というものがあります。
評価の高い ”物” とか “個人的体験” を探し求め、手に入れ、コントロールし、保持したい、という人の衝動です。
ハーバードビジネススクール学長のニテイン・ノーリア博士によると、人間は、「獲得した品物」や「楽しい経験」と自分自身とを同一視し、所有者意識を持つものなのだそうです。
獲得衝動に関するポジティブな心的状態は「野望」ですが、これが満たされない日々を送っている場合ネガティブな心理状態に陥ります。
そして野望が打ち砕かれネガティブな状態に陥ると、「嫉妬」という感情が表出してきます。
自分自身の獲得衝動が満たされていないと、他者の願いや野望が叶った時に喜んであげることができません。
それだけでなく、嫉妬心が頭をもたげ自分自身がイヤな気分に陥ってしまうのです。
「嫉妬」に苛まれていたら、日常を気分よく過ごすことを妨害してしまいます。
【備考】:
人間を本能的に突き動かす「4つの衝動」 ⑴ 獲得衝動 ⑵ 親和衝動 ⑶ 学習衝動 ⑷ 防衛衝動 これらは本能的なものであり進化の過程で遺伝子に刻み込まれたもの。逆らうことができない衝動でありこれらを満たすために人は行動する。
応援しあえない本能的に満たされない関係
「あの洋服が欲しい」とか「温泉旅行行きたい」など、比較的簡単に獲得衝動の欲求を満たし満足感を得られるコトもあります。
ただ「獲得衝動」への欲求が深く大きく満たされるコトをやるには、チャレンジ精神とか馬力が必要なことの方が多いのも事実。
仕事辞めて起業したい、世界一周旅行したい、偏差値の高い学校に入りたい、南の島に移住したい、イメチェンしたい、性格を直したい、ある人間関係を断ち切りたい、などです。
これまでの様にムリしなくても気楽にいられる“コンフォートゾーン”から飛び出し、ガッツを出して新たな状況に踏み込み、チャレンジしていくには「応援」が欲しいですよね。
多くはないでしょうが、たとえ誰にも応援されなくてもやってのけちゃう人だっています。
近所の人や友達が応援してくれないのは、何とかやり過ごせるかもしれません。
ですが、配偶者から応援されてない状態でのチャレンジは、かなりしんどいものがあります。
応援してもらえないどころか、阻止されてしまうならなおさら辛いです。
人間特有である、人にとっての基本的衝動の1つが満たされない人生。生涯それで通すことを想像してみてください。
これは蛇の生殺し状態といっても過言ではない、ですよね。人の成功が喜べず嫉妬心に苛まれるような心理状態も辛いもの。
もしも結婚相手が「応援してくれない人」だったなら、人生が不完全燃焼で終わりかねないのです。
これから結婚する方へ
結婚前のみなさまは、ぜひともこの点をよく考慮してみてください。
お相手は、あなたを無条件に応援してくれる人ですか!?その人と、お互いに応援しあえる夫婦になれますか!?
すでにご結婚されてるみなさまの中には、「私の場合は特別やりたい事があるわけじゃないから関係ない話しね」と、思われた方もいらっしゃるかもしれません。
でもそれは勘違い。人間(男女とも)の持つ、基本的衝動のことであり本能に組み込まれているもの。
DNAに刻まれているのだから誰にでもあてはまることなんです。(聖人以外)
一生懸命キレイを保とうとして努力してるのに、夫から「オマエのその腹なんとかしろ!」とか言われたり、家族のために昇進できるようがんばって働いているのに、「あなたに甲斐性がないから」と妻に罵られたり。
これらも「応援してもらえない」状態の1つではないでしょうか。
「どんどんキレイになるね」と言って、妻の“若さを保つ”プロジェクトを応援してあげる、「いつもありがとう」と明日への糧となる言葉がけをして目標達成を応援してあげる、 こういった事が体験できない毎日なら、応援してもらえないパートナーシップなら、それは大きな問題です。
「フツーのことだから」とあきらめたり、「みんなも我慢してるし」などと、自分を偽りあきらめて欲しくありません。
「そういう状態から脱しよう」「応援してもらえる自分になろう」と、目標をもっていれば、現状を変えることができるでしょう。
まずは、自分の方から夫/妻の「応援団になる」、と宣言してみてはいかがでしょうか!?
ほんのちょっとの努力で、人生の質が格段に向上します。
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