ある友人が、オリンピック金メダリストを育成しているアメリカ人のアスリート専門コーチに質問をしました。
「選手にはどんなお食事法をすすめているんですか?」
メダリスト級のアスリートを指導しているコーチの答えは、「基本的に、食事の指導はしない様にしています」とのことでした。
食事指導はやってないのではなくて、あえて「しない様にしてる」のです。
その理由は、どんな栄養素が必要か?とか、どのくらいの量が適量か?などは、普段から身体を鍛え抜いている選手の繊細な感覚で選択してもらった方が、本人にとってより良い食事内容になるから、ということでした。
食事指導をきっちりしたり、栄養価を計算したものを食べさせたりすると、選手達の体調が崩れることがあるそうなのです。
アスリートに最高のパフォーマンスをもたらす食養生は、「本人のカラダが欲するものを食べること」ということですね。
つい最近でも、日本人のオリンピックメダリストの食養生が話題になりました。
その水泳選手はパフォーマンスにはまったく問題なく、タイムを伸ばし体の調子がよかったのですが、普段はジャンクフードとかお菓子ばかり食べていて、あまり良い食事をしていなかったそうです。
元々、調子は良かったのですが、もっと良くなるかもしれないということで、栄養士に計算してもらったとおりの食事をとらせるようにしました。
すると、タイムは落ち、体調がすぐれなくなってしまい、水泳のパフォーマンスもすっかりがた落ちで勝てなくなってしまった。
よかれと思ってコーチがやった食事の見直し指導ですが、裏目に出てしまって残念でした。
その選手にとっては、あまりカロリーや栄養素をとりすぎない事が、体調維持の要だったのかもしれません。
そうする事で最高のパフォーマンスができる。
やはり、頼るべきは自分自身の感覚。すなわち『身体に何を食べたらいいか聞くこと』なんですね。
私たちは体を持っている人間なのですから、身体感覚や五感をシャープにしてゆくことで、地球上で最高のパフォーマンスができるのです!
だから、食事の正しい取り方や」食養生の方法を頭で知るより、まずは自分自身の身体の感覚を研ぎ澄ませることが大切ですね。
【追記】
当然のことながら、ジャンクフードを食べてたからタイムがよかった訳ではありません。まだ若くて運動量も多いエネルギッシュな選手だから今すぐには悪い食べ物の影響はないかもしれないですが、カロリーが少なかった事がパフォーマンスを出せた一要因なのかもしれません。
【追記の追記】
カナダにあるトロント小児病院呼吸器専門医/睡眠医学部長のIndra Narang氏による思春期の若者4,104人を対象に行った研究では、十代の頃の「睡眠不足や睡眠の質の低さ」と、成人してからの「心疾患リスク」との関連性がある事がわかりました。
そして、睡眠不足の要因の1つがジャンクフード。揚げ物、ソフトドリンク、お菓子、カフェイン入りの飲料など。その他には、長時間におよぶゲームやパソコン観覧やそれに伴う運動不足があげられています。
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=669084
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