それは、それは、美しい器でした。
本銀・本金がつかわれている『粉引き地』の陶器です。「銀」の部分は、使い込むほどに飴色に変化しアンティーク風になってゆくのだとか。
この器のデザインコンセプトは陰陽五行。
この作品の中には、陰陽が表現されているのだそうです。「赤」は太陽を表す色であり、「陽」の象徴。女性を象徴する花である「牡丹」は、「陰」を表します。
陰陽のバランスがとれているものが目に入ってくると、私達も自然にバランスが整う感じがしますね。
この美しい牡丹の器をテーブルコーディネートしたのは、大好きな料理研究家の先生。器が傷つかないように、フランス製の布を敷いて重ねてあります。コデマリの花のアレンジメントとも絶妙にマッチしています!
この美しい器で、京都のほうじ茶を出していただきました。「香悦」という名の、豊潤な香りと味わいがお口の中に広がるほんとうに美味しいお茶でした。
感激するほど美味しいのは、お茶が特別焙煎仕込みだったから、というだけではないでしょうね。
作者の魂が込められたスペシャルな手作りの器。料理をサーブしてくださる方の「お・も・て・な・し」の心。その「場」の雰囲気。
いろいろな真心がブレンドし合って、「おいしい♪」「幸せ〜♪」という声が思わずでてきてしまうんですね。
いつ、どんな時でも。『心』を一点に集中させていきたい。
何をする時にも、”魂がこもった感じ”を出せるような“真心”を、溢れんばかりに入れてゆきたい。
そんなことを考えさせられた。
美しい「物」は、「人」をインスパイヤする力があるのですね!