今日は老若男女に愛される美味しくて健康に良いアーモンドが危険な食品になってしまった、という話題です。
健康情報のなかには、時の流れによって変化する流動的なものもあります。新たに科学的検証で発見されたことや、健康番組や雑誌の特集でたまたま取り上げられたなどの理由で、突然ブームになったり、パッと消え去ったりしますよね。
バナナ、にがり、紅茶キノコ、天草、いろいろありました。『アーモンド』もその一つとして、多くの人の記憶に残っているのではないでしょうか。
90年代には、体をアルカリ性にする働きがあるという噂がたち『アーモンドを一日に20粒食べましょう』という健康法が流行していました。
- アーモンドには、以下のベネフィットがあるからです。
■ミトコンドリアで作られる強力な抗酸化物質であるSOD(スーパオキシドジスムターゼ酵素 )の生産に必要な微量ミネラル(トレースミネラル)を豊富に含んでいる。
■良い腸内細菌叢が増殖することを促してくれるプレバイオティック作用がある。消化器系の臓器の改善を助ける。
■脂肪燃焼の効果があるビタミンB2や、抗酸化作用があるビタミンEが豊富に含まれている。グルタチオンリサイクルに必要なビタミンB群も。
■血液がサラサラになるオレイン酸・リノール酸が含まれていて、ダイエット効果がある。
■AGEsという老化を防止する物質も含まれていて、アンチエイジング効果が期待できる。
■骨を強くしてくれるカルシウムとマグネシウムも含有している。
当時、健康に関するリテラシーが高い人々が多く住むカリフォルニアに住んでいたのですが、砕いたアーモンドをサラダにかけて毎日食していた女性も多かったです。
アーモンドを加熱(ロースト)してしまうと、酵素が破壊され、含まれている油が酸化してしまうということで、火を入れてない『生のアーモンド』が推奨されていました。
2007年からアーモンドが危険に
そんな理想的な食べ物であるアーモンドが、なぜ危険な食品に様変わりしてしまったのか!?
その理由は....
現在、アメリカで販売されているほとんどのアーモンドは、化学物質であるプロピレンオキシドで燻蒸されているからです。
カナダでアーモンドにサルモネラ菌が発生したことにより、米国でアーモンド栽培が盛んなカリフォルニア州の保健局で安全性を高めるための措置がなされました。
ところが、すぐに再びサルモネラ菌による被害が発生してしまい、いくつかの政府機関が懸命に対応し阻止することができました。
これらの出来事があったあと、2007年から、生アーモンドを米国で販売することは違法となりました。
生がダメになったため『何かの処理をした後のアーモンドしか販売してはいけない』、という法令です。
サルモレラ菌を絶対に発生させないために、以下の2つのうちのどちらかの方法でアーモンドを処理しなくてはならなくなったのです。
(1)200度以上の高温殺菌する。
(2)アーモンド粒の中までゆきわたる様に薬室にてプロピレンオキシドガスで燻蒸(くんじょう)する。✳︎(燻蒸とは⇨農薬がわり、土壌の虫駆除、シロアリ駆除に使う)
生のアーモンドは消えてしまった
あまりに急な法令だったため多額のコストを要することになってしまい、ほとんどの中小規模のアーモンド栽培業者は倒産に追い込まれてしまったそうです。そのため、これまで小さな農場が集まって業界全体として繁栄していたアーモンド栽培は、大企業のアーモンド生産者のみがある状態へと転じていった。
今のアメリカのアーモンド事情はこの様になっているのだそうです。
【オーガニックの表示があるアーモンド】は⇨ 200度以上で高温殺菌されている。
【オーガニックの表示が無いアーモンド】は⇨ プロピレンオキシドガスで燻蒸されている。
現在、米国で生産販売されているアーモンドは、上記のいずれかのみ。
アメリカで熱処理や消毒がなされていない生アーモンドが手に入るとすれば、それは海外で採れた輸入物。市場やスタンドなどでの少量販売のみになってしまったそうです。
虫を駆除する方法で...
大手企業のアーモンドの処理の方法についての記事を見かけました。それぞれの詳細を書くことはここでは控えます。ですが、大手企業なのできちんと法律で定められた処理を施しています。
「このお店で買ったものは安心」というイメージが強かった、トレーダージョーとかホールフーズも法律となると従わざるをえないのですね。
また、アーモンドペーストやアーモンドミルクなど、アーモンドを使った製品についてはどの様に処理がされているのか調べようが無いのが現状の様です。
アメリカの人たちは、自国で採れた生のアーモンドを食すことができなくなりました。
でも、被害はそれだけではありません。
シロアリを駆除するために使われる「プロピレンオキシドガスで燻蒸」する方法で処理されたアーモンドが口に入ってきてしまう危険性があるのです。
日本で売ってるアーモンド
これら「アーモンドの真実」から、健康目的で食べる場合は日本で売られているアーモンド製品にも注意が必要になってきました。
生のアーモンドや、低温ローストのアーモンドは、アメリカ以外の国から輸入されているものを入手するしかなさそうです。
アーモンドペースト、アーモンドシロップ、アーモンドミルクなどの加工された製品は、アメリカ製ならば処理方法が知りたいところです。
200度の高温殺菌なら栄養素が破壊されているだけで済んでるかもしれませんが、害虫が死ぬ「プロピレンオキシドガスで燻蒸」されたアーモンドから作られていたら、どうでしょうか!?
どちらの処理法なのかを調べてから入手に踏み切った方が良いかもしれません。
日本のお菓子会社のアーモンドチョコレートはどうなのでしょうか?
お子様がいらっしゃる方は、お菓子会社のカスタマーサービスに電話して聞いてみることも一案です。遺伝子組み換えなのか?生産地はどこなのか?など、電話すると正直に答えてくれることがほとんどです。
アーモンドはただの一例にすぎない
以上が、『アーモンドは理想の食品だったのに今は注意が必要になってしまった、その理由』についての記事でした。
こういったことはアーモンドに限られた話ではありませんよね。養殖魚に使う大量の消毒剤、チキンや牛に使うホルモン剤や抗生剤、DNAを人工的に変えられた野菜。
本当は人間の体にとって、たくさんの良い栄養素が含まれている食品なのに、人間の手によって『毒化』されてしまったもの。
そういう食品、なぜかどんどん増えてきている様な気がします。
病気の問題が出てくるからこそ、その予防のために化学的な毒になる物質が使われてしまうからなのですよね。
ただ、病気の問題が出てくること自体、人間が地球に対して不自然を加え続けたせいではないでしょうか。
自然の摂理に任せておけば豊かで健康に暮らせるのに...
その道を信じて突き進んでいくことには恐怖が伴います。
取り返しのつかないことになる前に、人類が一丸となって、勇気を出していけたらいいですね。
まずは自分から、はじめの一歩を踏みだします。