「夢や目標を紙に書けば叶う!」という情報をいたるところで目にします。
それとは真逆で、「書いただけじゃ目標は実現化できませんよ」という記述もちらほら見かけます。
こんな風に2つの対極したことを言われると、人の思考回路はフリーズを起こしてしまいます。
これを心理学用語でダブルバインドと呼びます。
無意識レベルで心理的な妨害が起こるのはなぜ?思ったことと反対のことをしてしまう理由は?このようなことにご興味がおありでしたら、読み進めてください。
ダブルバインドの悲劇
ダブルバインド状態に陥り思考がフリーズしてしまうと、「何が正しいのか?」がわからなくなり、追い詰められると精神が混乱するのです。
これは米国の精神医学・文化人類学の研究者であるGregory Bateson(グレゴリー・ベイトソン)が、1956年に提唱した用語。
家族内においてダブルバインド的なコミュニケーションが続くと、精神の整合性が取れなくなるのです。(グレゴリーは統合失調症の原因になると提言)
ダブルバインドに陥ってしまう典型的なパターン:
「否定的な命令を出す」
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「次にそれと矛盾する(真逆の)命令を出す」
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「これらの矛盾状態からの脱出禁止令を出す」
このような順序をたどり、人はダブルバインド状態におちいってしまうのです。
家庭内でも起こるダブルバインドに陥る例を挙げます
①<否定的な命令>
ママから「パパのような冷たい男になったらダメよ」と言われる。
②<矛盾する真逆の命令>
さらに「パパと同じ弁護士になりなさい」という指令が出された。
③<矛盾からの脱出禁止令>
「あなたはパパの会社の後継よ」と逃げ道のない未来の決めつけを言われる。
すると子供がダブルバインドに陥って、命令されないと何も決められないような精神状態になっていきます。
今日の話題に当てはめてみてみましょう。
①<否定的な命令>
「夢は紙に書けば叶う(提案1)」
②<矛盾する真逆の命令>
「書いただけで叶うなんて嘘(提案2)」
③<矛盾からの脱出禁止令>
「夢を持ちなさい!(一般常識)」
こんな感じで迷宮にはめられてしまいそうになります。だからこそ、最近の傾向というか風潮がとても気になっていました。
本来ならいろんな意見を聞いて、自分なりの答えを出せば混乱など起こるはずがありません。
ところが自分で実践しない人の場合、正しい答えを自ら導き出せないままになり、その結果ダブルバインドにはまってしまうのではないか?と懸念しているのです。
ある人がダブルバインドにハマったとしたら、おそらく「目標を設定しない状態」に考え方が固定化されてしまいます。
それはマズイ!
その人にとっての大きな損害になります!
そこで今日は、それぞれの矛盾した意見に対して解説を試みてみようと思います。
目標は書くだけで叶う?書いただけで叶うわけがない?どっちなの!?
書いただけで夢や目標が叶う?
「書いただけで叶う」のは、本当のことです。
私自身もこれまで沢山のことを実現化してきましたし、受講生のみなさまも夢を叶えてきました。
ただし、書いたことを否定(矛盾)するような言葉を日頃から口にしていた場合、そちらの方が勝つ場合があります。
例えば、「来年大好きな人と結婚する」と紙に書いたとします。でも同時に、鏡を見るたびに「私なんてどこも良いところがない誰からも選ばれない」と頭の中で言っていたとします。
この場合、より強い感情が込められた方が勝ちます。
「結婚する」のワクワク感が勝つのか、それとも「誰からも選ばれない」という自己卑下の感情が勝つのか。 たいていの場合、「長期間持っていた感情」の方が強いのです。
「紙に書く言葉」と
「口頭で発した言葉」と
「頭の中で言った言葉」は、
これら3つは同等と考えてください。なので、紙に書いた言葉にくっついている感情が一番強かった場合は、紙に書いたことが実現化されます。
口癖に込められた感情が最も強かったら、紙に書いた方が負けてしまうでしょう。このようなカラクリがあります。
何か思い当たること、ありましたか!?
紙に書いただけで夢が叶うわけがない?
「紙に書いただけで目標達成できるわけがないだろ!」とおっしゃる方のご意見も、ごもっともだと思います。
これは「書くだけでなく、実際に行動しないなら叶うわけがない」というご意見。確かにそれは本当のことですね。
では、書いてから行動すれば良いのでしょうか!? ちょっとばかりニュアンスが違います。
もしも心の底から叶えたい夢や目標があって、それを紙に書いたとしたら「何も行動しない」などという事態にはならないはずなんです。
何かしたくて仕方がない!、じっとしていられない!、そんな風になって自動的に行動するはず。
もしも紙に目標を書いて、それに関することで何も行動を起こさない自分がいたら、まずは「これって心の底から望んでることじゃないのかも?」と疑ってみてください。
人はとかく、社会的に評価されるような状態(高学歴や高収入など)になりたいと思い込んだり、誰かに認められたいために何かを目標にしてしまうことが多々あります。
このような目標設定ですと、本心から望むことではないのだから、行動しなくて当たり前ですね。
なので、「書いたら行動せよ!」と自らをあおるより、行動しないなら本心からの夢じゃないかも?と再検討してみてください。
そして、自分にとって心の底から望んでいることをぜひ紙に書いてみてください。
きっと「行動」が止まらないはずです。頭の中のシュミレーションも毎日してしまうことでしょう。
ダブルバインドの悲劇から解放します!
夢や目標を「紙に書いたら叶う」は事実。「紙に書いただけでは叶わない」も本当のこと。
一体どっちなの?と悩むことなく突き進んでいきましょう♪
大切なのは自分自身の「本当の気持ち」に向き合うこと。自分の真の願望を知っていること。
本当の気持ちに忠実な目標や夢を紙に書いたとしたら、自動的に行動してしまう。
本当の気持ちに忠実な目標や夢を紙に書いたとしたら、それを否定するようなことを頭の中で言ったとしても、それに勝るワクワク感情が付随しているはず(勝てる)!
2つの矛盾した意見、ダブルバインドを超えた体験を引き寄せることができるようになります。
日頃から本当の望みを「言う」(書く・思う)を心がけていきたいです。